涙そうそう❗️
「涙そうそう」の奇跡!
今や国民的楽曲ともなった「涙そうそう」は、実は奇跡の歌である。森山良子、ビギン、そして夏川りみ、この3者が奇跡の歌を作り上げた。
ある日メロディーが浮かび曲が最初に出来たそうだ。BEGINから森山さんに送られたデモテープには「涙そうそう」とだけ書いてあった。森山さんは早速そのテープを聞く。懐かしく優しい旋律に長く封印していた想いが止めどもなく溢れ出した。
若くして亡くなった1歳違いの兄への想い。森山さんはあまりにも辛すぎて、一番星を見ながら泣いていた過去を封印してしまった。ところが、曲を聴いているうちに長く閉ざしていた兄への想いが溢れ出し一気に詩を書き上げてしまう。こうして名曲は誕生した。
「涙そうそう」は1998年にリリースされたアルバムの中の1曲として世に出るが、特に注目されることはなかった。せっかく出来た名曲も日の目を見ることなく埋もれるところだった。ところが最後の奇跡を夏川りみが起こす。
沖縄サミットの番組を観ていたら、同じ石垣出身のBEGINが詩情豊かな心に響く歌を歌っている。これだ、と夏川りみは感じたらしい。BEGINからは新曲をプレゼントすると言われたのに、どうしてもこの歌をカバーさせてくれとお願いする。その一途な気持ちが奇跡を起こす。
2001年、まず沖縄ローカルで大ヒットする。当時絶大な人気を誇るBzと争う勢いだった。そしてじわじわと全国に広がっていく。ついにCD売上はミリオンを獲得し2002年夏川はレコード大賞金賞に輝いた。
「涙そうそう」という名曲を作りあげたBEGINの奇跡、兄への想いから素晴らしい詩を紡ぎ出した森山良子の奇跡、そして誰よりもこの歌の価値を知り心を込めて歌い上げ大ヒットさせた夏川りみの奇跡。
石垣島が生んだ偉大なアーティストに敬意を込めて、今だからこそ思い出し聴きたい曲だ!
聖パウロ❗️
心に愛がなければ
どんなに美しい言葉も
相手の胸に響かない - 聖パウロの言葉より
ベートーベンの交響曲第6番「田園」第1楽章の調べにのせ朗読されるあまりにも有名なことば。カトリック教会が放送する早朝のラジオ「心のともしび」は1957年から続く長寿番組だ。
私はクリスチャンではないが、この聖パウロの言葉が大好きである。コリント人への第1の手紙第13章に収められている。元々熱心なユダヤ教徒であったパウロはキリスト教徒を迫害していた。「パウロ、パウロ、なぜ わたしを迫害するのか」との声を聴き失明する。声の主はキリストだった。
「パウロの回心」と言われるほど、キリスト教徒になったその後の聖パウロの布教活動は凄まじいものだった。徹底した愛と非暴力を説く。冒頭の言葉はコリント信徒への戒めの言葉でもある。
どうせなら聖パウロのように、相手の胸に響くように語りかけたいものだ。相手を貶めてはいけない。愛あればこそ!
ハムレット❗️
秋の夜長にシェイクスピア!
四大悲劇の中でも最高傑作と言われる「ハムレット」。新潮文庫の日本語訳と講談社の英語版を続けて読んでみた。
日本人はこの悲劇が好きなようで、ハムレットはこれまでにも数多くの舞台で演じられている。「デンマーク王子の主人公ハムレットが父親の仇に復讐する」というだけの物語なのだが、世界中の共感を呼び不朽の名作といわれる。
To be or not to be:that is the question...
「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ...」
あまりに有名なセリフなので、本を読んだ事がなくても殆どの人が知っていると思うが、これは正に究極の選択というものだろう。ハムレットが死を選択した事で悲劇は完結し珠玉の芸術作品へと昇華するのだが、普通人ではこうはいかないだろう。
波乱万丈はシェイクスピアで充分、人生は平凡に生きていくのが一番だと思う。
To be and to be:there is a small happiness!
因みに、英語版は高段者でなくても読めます。
モルダウ❗️
カラヤン名曲コンサート!
「モルダウ」は中学生の時に習った覚えがある。今でも耳に残っているのは、校内合唱コンクールの課題曲だったからなのかもしれない。馴染みのある旋律をカラヤン指揮のベルリンフィルで久しぶりに聴いた。
スメタナの創作した6つの交響詩「わが祖国」の第2曲目が「モルダウ」。チェコ共和国最長の川でチェコ語では「ヴルタヴァ」。モルダウはドイツ語だ。スメタナのいた当時、チェコはオーストリア=ハンガリー帝国の支配下にありドイツ語が公用語だった。
そのせいで若い頃のスメタナは、ドイツ語は流暢に話せるがチェコ語が上手く使えなかったようだ。チェコ国民楽派の開祖ともいわれる作曲家は、革命の後方支援をしたこともある。「わが祖国」は、そういうチェコ人によって作られた。
「ヴルタヴァ」は旋律が美しい。源流から山間を抜けプラハの街を通りエルベ川に合流する。月夜に川面が煌くさまは絶景だという。スメタナは1824年の3月2日に生まれ60才で亡くなる。「わが祖国」の独立を生涯見ることは出来なかった。異民族支配に耐え葛藤を抱え、よく「住めたな」とは思う!
アンパンマン
孫が好きだったアンパンマン!
なんのために生まれて
なにをして生きるのか
わからないままおわる
そんなのはいやだ!
テーマソングは作者やなせたかしも言ってるように、幼児向けアニメーションにしては重い問いかけになっている。今でも子供に大人気のアニメだが作者の意図は「僕はお子さまランチや、子供だましの甘さを嫌った」
自分を食べさせることによって、飢える人を救うアンパンマン。ボロボロのこげ茶色のマントを着て、ひっそりとはずかしそうに登場するヒーローは、正直あまりカッコよくはない。
「ほんとうの正義というものは、けっしてカッコいいものではないし、そして、そのためにかならず自分も深く傷つくものです」
この稀代のマンガ家は、なんとも哲学者である。「手のひらを太陽に」の作詞家としても有名だが、晩年になってこう言っていたという。
「何をして生きるのか、自分に問いかける時が来た!」
狛犬❗️
ある日、2匹の狛犬が世を儚んでぼやいていた。
「なんか最近生きづろうなってきたなあ」
「ホンマやなあ、世知辛い世の中になったもんやでえ」
「やっぱ、コロナのせいやろか」
「そうとばかりも言いきれへん。心のあり方の問題かもしれんなあ。先が見えへんさかいポッカリ穴が空いたような感じや。気い張って生活してるぶん少し寛容さがのうなってきてるんちゃうか」
「こういう時はどうしたらええんやろか」
「素になることが大事やと思うわ。素直に感情を出して自らを解放せなあかんで。ガマンばかりしてたら持たへんからなあ。頑張った自分にプチご褒美をあげてもいいんとちゃうか。こういう時は美味しいもんを食べるのが一番やで」
「美味しいもん食べて素に戻れるならええなあ」
「そやろ。そやさかい、素になるんを「素敵」いうんやで。なんか上手い肉でも食いとうなったなあ」
「ほな、三密避けてそろそろわしらも出かけよか」
「そうやな。気ィは晴らさんといけんしなあ。ユーとミートで肉でも食べて元気出そか。三密はあかんけどデザートのあんみつはokや。ワシらは細いぬ、と言われても気持ちは大きく持たなあかんで!」